東北新幹線・山形新幹線の平面交差支障を改善する福島駅上りアプローチ線工事の状況を見てきました。
【目 次】
山形新幹線福島駅アプローチ線工事について
東北新幹線福島駅は山形新幹線上り列車と東北新幹線の本線平面交差を解消するために、山形新幹線(奥羽本線)から東北新幹線上り線に接続するアプローチ線の建設が進められています。JR東日本のプレスリリース(2020年3月3日発表)によると、開業は2026年度末の予定で進められているようです。
先日、福島駅に立ち寄る機会があり、工事の進捗状況を確認してきました。
アプローチ線工事外観
福島駅周辺にはアプローチ線工事の状況を俯瞰しやすい撮影場所が何箇所かありました。
特に福島駅の在来線跨線橋からはアプローチ線全体を眺めることができ、工事の進捗具合が一目で分かります。
在来線福島駅~新庄方面
在来線福島駅の在来線ホームから新庄方面へ向かう様子を確認してみました。2022年11月現在、福島駅の日中に在来線ホームから出発する列車は工事のために運休となり、代行バスによる輸送が実施されています。*1
新庄方面へ向かう6番線には福島駅17:43発の5425Mが車内清掃中で留置されていました。庭坂始発5424Mの列車が福島駅9:30に到着した後、そのまま折り返しの5425Mになると思われます。
6番線ホーム先端から新庄方面を確認します。アプローチ線工事の足場組立が構築されています。
西町跨線橋
福島駅北部に位置し、東北本線・奥羽本線を立体交差で跨ぐ福島県道310号西町跨線橋はアプローチ線の工事状況を確認するに最適の場所でした。
跨線橋北側
跨線橋から北側(青森方)を確認します。
一部の橋脚は既に完成した模様で、桁の架設が始まっていました。写真奥が新庄方面になります。桁架設中の下を福島駅から来た奥羽本線は写真左手新庄方面へと続いています。アプローチ線は手前から奥に向かって急勾配で下って行くことになります。
桁架設中の橋脚を両端に見てみます。
右手が福島駅方面、左手が新庄方面になります。左手の橋脚が低く、右手は高いことが写真から明確に分かり、勾配が急であることが分かります。アプローチ線は西町跨線橋の上を越え、東北新幹線の本線高架橋を下に進みますが、現地から急勾配であることがよく分かりました。
跨線橋南側
跨線橋南側、福島駅方面を確認してみます。跨線橋からはアプローチ線と東北新幹線福島駅の接続部が確認できました。
アプローチ線の工事は線路線形を描くように、足場の骨組みが建てられ、工事が進んでいました。アプローチ線と東北新幹線の高架橋が接続される箇所はまだ工事が行われていないようで、架線柱の撤去や側壁の撤去はまだ始まっていませんでした。
曾根田踏切
曾根田踏切は福島駅を在来線ホームから新庄方面へ進み、1つ目の踏切となる踏切です。曾根田踏切はアプローチ線の工事状況を近くで確認できます。
写真手前は奥羽本線の曾根田(西)踏切、写真奥が東北本線と福島交通飯坂線の曾根田(東)踏切です。両踏切間の道路は工事のバリケードで囲まれており、アプローチ線の工事が進められています。曾根田踏切の道路を越えるアプローチ線の高架橋は既に低く、通行する自動車に高さ制限が付きそうな気がします。
在来線福島駅方面を確認してみます。
線路右手が整地されていました。どうやら線路移設がありそうです。写真に写る架線柱は既に線路移設を考慮されたと思しき幅になっているように見えます。
続いて新庄方を確認してみます。
こちらも線路左側が整地されています。
三河踏切
曾根田踏切からさらに1つ新庄方面へ進んだ三河踏切です。アプローチ線は高架区間を終え、立体交差で三河踏切を越えることなく、地上を走行します。
三河踏切全体写真です。
三河踏切内は既にアプローチ線の線路が敷設されていました。写真奥の踏切しゃ断機・踏切警報機が見える箇所が現在の奥羽本線(在来線)です。その手前に真新しい線路が2本見えます。
最も手前に見える線路がアプローチ線となる線路です。もう1線の新しい線路は在来線用でしょうか。現在の奥羽本線もアプローチ線工事に併せて線路移設があるようです。
アプローチ線と思しき線路から新庄方面を確認します。
アプローチ線の延長線上に現在の奥羽本線が見えます。在来線との接続点は三河踏切から確認できそうです。アプローチ線は在来線から分岐するため将来分岐器が挿入されるものと思われます。
続いて踏切内に敷設されていたもう一つの新しい線路からも確認してみます。
この線路の延長線上に現在の線路が見えます。接続点としてはこの辺りでしょうか。
在来線も線路切替を行うのはなぜでしょうか。気になります。
振り返ってアプローチ線の福島駅方面を確認してみます。
線路延長線上には架線柱があり、アプローチ線に支障するように見えます。プレスリリースの完成イメージ図から、写真前方の東北新幹線橋脚中間を通り、高架区間となることから、アプローチ線は下図のような線を描くものと思われます。
おわりに
福島駅アプローチ線工事状況を確認したところ、アプローチ線の線路は三河踏切で確認することができました。開業は2026年度末で、2027年3月開業ならばあと4年と4か月でしょうか。工事は順調に進んでいるものと思えました。
高架橋が形になってくると景観が変わってきそうです。定期的に訪問して変化を確認したいですね。
それでは。
*1:JR東日本:福島駅アプローチ線新設工事に伴う奥羽本線一部区間の日中帯の運転取りやめとバスによる代行輸送のお知らせ:2021年12月22日:https://www.jreast.co.jp/press/2021/sendai/20211222_s02.pdf