
先日ご紹介した3代目レイアウトは電子連動装置を導入しています。
今回は自作の電子連動装置を導入に関する信号設備のご紹介です。
【目次】
3代目レイアウトについて
前回記事でご紹介した3代目レイアウトについて、今回は自作の電子連動装置を導入した信号設備の構築内容についてご紹介します。
レイアウトについては前回記事をご覧ください。
ポイントレール(転てつ器)の電動化・連動制御化

当レイアウトのポイントレール(転てつ器)は全て電動化を行い、手動のポイントレールはありません。全てのポイントレールは自作の電子連動装置から遠隔制御・集中制御します。基本的に単独でポイント切替を行うことはなく、連動装置で定義された進路データ情報に従ってポイント切替が行われます。
今回のレイアウトにおけるポイントレールの切替箇所は、
51(ダブルクロスポイントの双動)、52、53、54、55(55イと55ロの双動)、56、57、58、59、60、61、62、63
の13箇所になりました。
ポイントレールの番号について51番からとしたのは、連動装置におけるポイントの番号の付け方で、51番から付番しています。
双動化の範囲
ポイントレール56・57は双動化させない
鉄道模型では、ポイントコントロールボックスの台数をなるべく削減するよう、1個のポイントコントロールボックスでポイント切替を2台同時に切り替えて問題ない箇所は、双動化することがあります。
一般に、連動装置を導入しない従来の電気配線では、配線略図で示すポイントレール56・57は、双動化しても差し支えないですが、連動装置で進路制御を行う場合、下図のように場内信号機4LDで3番線に進入する進路が開通中に、出発信号機6Lで4番線から別の列車が出発するような運転が考えられます。このような運転をする場合は、ポイントレール56を分岐方向、ポイントレール57を直線方向としてそれぞれ独立して切り替えられる必要があるため、ポイントレールの56・57は双動化しないこととしています。

ポイントレール55イ・55ロの双動化
一方で、複線の上下線間を渡るようなポイントレール55イ・55ロは、互いに独立して切り替えを行うことがないため、双動化します。双動化したポイントレールの名称は、管理上の番号にイロハニホヘトの並びを付加して、55イ・55ロと付番します。
信号機の建植
信号機の建植数
前回掲載した配線略図を再掲します。

このレイアウトにおける建植する信号機は
- 出発信号機:5基(2R、3R、5L、6L、6R)
- 場内信号機:5基(1RB、1RC、1RE、4LD、4LE)
- 閉そく信号機:10基(U1、U2、U3、U4、U5、D1、D2、D3、D4、D5)
- 入換標識(線路表示式):1基(1K)
の計21基の建植です。
うち、出発信号機、場内信号機、閉そく信号機は色灯式信号機であり、
- 3現示(GYR)
- 4現示(YG)(YRYG)
- 4現示(YY)(YRGY)
- 5現示(YY)(YYRYG)
の4種類の灯器を使用しています。
以下の写真は出発信号機5Lと6Lを写したものです。出発信号機5Lが減速信号を現示しています。

信号機の建植位置
信号機の建植位置は基本的に列車の進行方向左手となるように建植し、閉そく区間の進入地点となる箇所、即ち軌道回路の境界点なる位置に建植します。
写真は下り第2閉そく信号機の例です。信号機に隣接してレールに黒色の絶縁(ギャップ)が入っているのが分かるかと思います。

入換標識(線路表示式)を使った入換え
駅構内の入換えは入換標識(線路表示式)で入換えを行います。線標1Kには開通した進路に従って表示を変化させます。
表示内容を配線略図上で示すと以下のようになります。

表示内容は車両の留置を行う線路に対して、番線表示(数字表示)、引上げ線となる線路はローマ数字で表示するようにしています。ホームのある線路は、配線略図通り、番線に従って1~4の表示、留置1番線~4番線は、十の位を1つ上げて11~14の表示、もう1つの留置線は21~23の表示としています。構内両端の引上げ点となる線路はX、Y表示としました。
例として、入換標識23RBの進路を開通させた場合は、発点表示X、着点1の表示が機構1Kに表示されます。以下の写真は実際に入換標識23RBの進路を扱い、開通した際の表示です。

軌道回路の構築
車両の在線位置は軌道回路を用いて検出します。レールを一定の範囲で電気的な絶縁を挿入し、電流検知によって軌道回路としています。
本レイアウトでは、全線に渡って軌道回路を設備し、車両の位置を後述する電子連動装置上で完全に把握することができるようになっています。
軌道回路の割りについては、車両の運転が最も効率的、かつ同時に複数の車両が運転される際に制御上、支障しないように区分して軌道回路を構成します。
例えば、転てつ器55号を有する渡り線で、軌道回路は下り線を55イT、上り線を55ロTと分けていますが、これは渡り線のポイントレールを直線方向で走行する場合、下り線を走行する列車と上り線を走行する列車が同時に走行し得るため、1つの軌道回路としてしまうと、先行して進入した車両によって他方の車両が進入できなくなってしまうため、
上り線と下り線でそれぞれ同時に列車が運転できるように、軌道回路は2つに区分しています。同様に、後述のダブルクロスポイントを使用する軌道回路51イT、51ロTも複線運転を考慮した構成としています。
軌道回路のギャップ(絶縁)挿入
軌道回路を構築するためには、レールを電気的に絶縁する必要があります。Tomix製レールにおいては、通常のレールのジョイナーを外してギャップジョイナー(品番:0111)に変更するか、又はギャップレール(品番:1671)を使用します。
写真は軌道回路55ロT、4LDT、4LETの境界に絶縁を入れたところを示したものです。

軌道回路4LDTと55ロT間はギャップレールG70を使用し、軌道回路4LETと55ロT間はギャップジョイナーで繋いでいます。Tomixの規格の島式ホーム間隔55mmにするためには、分岐側の直線レールは72.5mmレールを使用するため、軌道回路4LET側はギャップレールを使用すると2.5mm長さが足りないため、隙間が出来てしまいます。このような箇所にはギャップジョイナーを使用して軌道回路を作ります。
ダブルクロスポイント51号における軌道回路
ダブルクロスポイントレール(Tomix品番:1247)を使用する箇所の軌道回路51イT、51ロTについては、ダブルクロスポイントレールが直線方向と分岐方向双方に絶縁が入っているため、下図のようにダブルクロスポイントを挟んで両側から給電するよう、DCフィーダーを挿入して対応します。軌道回路51イTでDCフィーダー2本、軌道回路51ロTでDCフィーダー2本の計4本を使用して、2つの軌道回路を構成します。
通常は、ユニバーサルスイッチボックス1個とコントロールボックスW1個を使用して、直線方向と分岐方向での通電を切り替えますが、今回のように連動装置を導入して軌道回路とする場合には、渡り線方向と直線方向で走行する電流の切替は不要になります。

連動図表
連動装置を導入する上でどのような論理で装置が動作するのかを示す場合、連動図表を作成すると分かりやすいです。今回、運用している電子連動装置の連動図表を起こしてみました。(いろんな文献から見よう見まねで作り、とても時間かかりました...)
※文字が細かく、画像が大きいので、別タブ等で画像のみで開くことをお勧めします。

連動装置の種類
連動装置の種別は「第一種電子連動装置甲」になります。全てのポイントが連動装置より集中制御される「第一種」、連動装置による進路制御の論理がソフトウェアによって組まれる「電子」、連続した軌道回路によって制御される「甲」となるため、第一種電子連動装置甲になります。
進路数
電子連動装置で登録した進路数は、46進路になります。
また、連動装置の操作は進路の発点となるてこと到着点となる着点ボタンで操作する進路選別式です。連動図表では、着点ボタンの表記を○にローマ字記号で記載しています。
各種鎖錠について
出発信号機・場内信号機・入換標識の各進路における各種鎖錠について、製作した電子連動装置で鎖錠できる内容を連動図表に記載しています。
接近鎖錠・保留鎖錠の秒数は一律5秒としました。長すぎると待ち時間が長くなるので少々時間かける程度にしています。
入換標識(線路表示式)の表示について
線標1Kについて、入換標識の進路を2つ連続して開通させた場合は、線標1Kの表示内容
を変更します。例えば、入換標識23RB、16RFの進路を共に開通させた場合は、
線標1Kの表示は、写真のように発点X(発点を点線囲い)、着点Yの表示になります。

連動図表において、線標の表示内容が変更となる進路には信号制御又はてっ査鎖錠の欄に変更される進路名を記載します。
連動装置の画面
導入した電子連動装置の制御画面です。

制御画面は、実際のレイアウトの線路線形になるべく寄せるように作図しています。
留置1~4番線とホームがある1~4番線の間には本線の高架線が配置されているため、画面上でも留置線と駅ホーム間に高架線の線路を作図しています。
本線を走行するために扱う信号てこ、駅構内で入換えを行うために扱う入換標識てこを配置しています。てこの番号は前述の配線略図で示す信号機の名称、入換標識の発点となる進路名に合わせています。
運転中の写真
実際に電子連動装置を使用して信号扱いを行いつつ、運転している時の画面です。
進路が開通し、走行する線路が確定した状態は黄色に表示され、車両が存在する軌道回路は、赤色に表示されます。

この画面では2本の列車が運転中で、上り線・下り線を共に走行中、留置1番線に1編成が留置中の状態です。2番線を下り列車が通過する進路、3番線を上り列車が通過する進路で開通させて周回運転をしています。
操作風景
実際に電子連動装置を操作する箇所は、駅手前に置いたノートパソコン上で電子連動装置のアプリケーションを起動させて扱います。マウス操作でてこ・着点ボタンをクリックして進路の開通と解除を行います。

製作した電子連動装置について
本記事で紹介した電子連動装置について、仕組みや操作方法については
過去にコミックマーケットにて解説本を頒布致しました。
現在はBOOTH通販サイトを展開しています。
ご興味がありましたら、ご検討ください。
また、車両の運転や扱い方に関しては「運転編」もあります。
※2026年3月20日現在、在庫切れのため、
サイト内より「入荷お知らせメール」をご登録ください。
おわりに
3代目レイアウトについて、今回は信号設備編としてまとめました。信号機・軌道回路の設備数としては過去最大級で、信号設備構築で不足した分は追加製作をして対応しました。
このような大きなシステムを組むと気になるのは、多量の配線かと思います。制御機器や配線はレイアウトボードの下に置いて制御しています。