Interlocking’s blog

鉄道信号・模型などなど趣味活録

鹿児島市電 鹿児島駅前の中継信号機のハナシ

先日、鹿児島市電の鹿児島駅前の駅舎及び各種設備について巡ってきました。

 

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写真1:鹿児島駅前駅舎

 

鹿児島駅前は1月31日をもって休止になります。過去にも訪れたことがあるのですが、

時間の都合で詳しく見て回れませんでした。今回は鹿児島駅前をメインに調査してきました。

↓ソース

http://www.kotsu-city-kagoshima.jp/topics/22759/

 

その中で特筆したいものをご紹介します。

鹿児島駅前と言えば、前回訪問時に見つけたこの中継信号機が45度傾いて設備された珍妙な信号機があります。(写真2)

今回の現地調査で動作確認をしてきたのですが、「信号機」と呼称して良いものか判断しかねる挙動をしておりました。

説明の便宜上、信号機と呼称させて頂きます。

 

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写真2:中継信号機が45度傾いて建植された信号機


結論から言うと、この信号機は進路表示機に近い動作をしています。進路が確定すると

滅灯、未確定の場合に点灯という動作をします。

 

一通りの動作概要について説明します。

列車が接近していない状態では写真3に示すように、信号機は点灯しています。

鹿児島駅前のホームは1~3番線まであるのですが、2番線へ進入する場合は縦表示となるようです。

 

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写真3:縦表示をする信号機

列車が信号機手前まで接近すると進路が確定し、写真4のように当該信号機は滅灯します。写真は1番線に開通した状態です。

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写真4:滅灯した信号機(1番線開通)


列車が信号機内へ進入し、ホームへ収まると、信号機は再び点灯します。

この時、信号機中央の点のみ点灯という状態になりました。(写真5)

1番線に進入した列車により、ホームに車両が全て停車した状態となりました。

おそらく、中央のみ点灯の状態は進入する進路が未確定の状態かつ、進入できる進路が無い状態と推測されます。

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写真5:再び点灯した信号機

 

鹿児島駅前から列車が出発し、ホームに空きが生じると、再び点灯します。

以上の動作がこの信号機の一連の流れのようです。

 

ここで疑問が生じます。

例えば1番線、2番線が空いていてどちらへも進入できる場合、どのように進路変更を行うのでしょうか。

一般の鉄道ですと、一箇所に集約された指令所で集中管理されている路線が多いので指令所にて進路設定を行い、進入する番線を決定しています。

鹿児島市電の場合は集中管理されていません。従って、複数ホーム等で分岐がある場合は現場にて扱うことにより進路開通を行う方法を取ることになります。

 

鹿児島駅前の場合は写真6のように運転士が信号機手前に建植された押しボタン箱を扱うことにより進路設定していました。

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写真6:進路設定操作を行う運転士

押しボタンを操作すると、当該信号機は滅灯し、進路が確定したことが分かります。(写真7)

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写真7:扱い直後に滅灯する信号機


進路が確定してしばらくした後、軌道用信号機の現示に従って構内へ進入していきました。鹿児島市電の場合は進路設定を運転士が担っているようです。

押しボタンはシンプルに1番線~3番線の表記になっていました。(写真8)

それなりに使用感があります。30年くらいでしょうか。それ以上でしょうか。

 

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写真8:押し釦箱

 

最後になぜこの信号機があるかという理由ですが、「通過進入する場合、開通させたい進路を事前に運転士に予告するもの」としているように感じました。

進路変更をかけたい場合は押し釦を扱うといったことをしているようです。

 

以上、鹿児島市電鹿児島駅電停の中継信号機についての調査でした。

2月以降の改良では駅舎工事・周辺再開発で休止になりますが、信号装置も新しくなるのか気になるところです。