JR四国松山駅では、特急列車同士の縦列停車という珍しい光景が見ることができます。
先日、調査してきました。
【目 次】
松山駅での特急縦列停車について
2022年12月現在、松山駅を始発とする特急宇和海号と特急しおかぜ・いしづち号は松山駅1番線で同一ホーム乗換できるように運用されています。
列車ダイヤは乗り継ぎ時間が短くなるよう、上り・下り共に10~20分程の連絡で乗換可能なダイヤとなっています。(注:一部の時間帯は連絡がありません。)
双方の列車が到着・出発する時刻になると、ホームの宇和島寄りに宇和海号、高松寄りにしおかぜ・いしづち号の列車が到着し、同一ホームに2列車が到着するという”縦列停車”をしています。
特急列車同士の縦列停車は日本全国見てもこの松山駅だけでしょう。
この縦列停車を行うにあたり、松山駅では構内の信号扱いに特殊な運用をしています。
1番線は閉そく区間が宇和島寄りと高松寄りで分割されていないため、1番線に先着した列車は場内信号機の進行信号によって進入し、後続の列車は誘導信号による入線をしています。
この誘導信号による入線ですが、松山駅高架化と共に姿を消す可能性があります。
松山駅は連続立体交差化事業が進められており、跡地に高架駅の構築が進められています。
同リンクの連続立体交差化事業パンフレットPDFを見ると、
JR松山駅の新ホームが2面4線になり、対面乗り換えが可能になるとともに、エレベーター・エスカレーターなども整備し、バリアフリーで安全・快適な駅に生まれ変わります。
とあります。パンフレット内の文章「対面乗り換え」がひっかかります。
明確な表現はされていませんが、高架化後は特急宇和海号と特急いしづち・しおかぜ号の縦列停車は解消され、対面乗り換えになる可能性があります。
対面乗り換えとなれば、宇和島方、高松方の場内信号機はそれぞれ異なる番線に進入する進行信号を現示して進入することになるので、誘導信号機を使用した現在の入線方法は無くなる可能性があります。
誘導信号による松山駅入線
現在の列車ダイヤで見ると、特急宇和海18号はしおかぜ11号の15:17着よりも3分遅い15:20着でダイヤが組まれています。つまり、宇和海号の方が後に松山駅1番線に進入するため、入線には上り場内信号機に併設される誘導信号機で入線することが分かります。
早速宇和海号18号に乗車し、松山駅へ進入する様子を記録してきました。
伊予市駅を15:09に出発した特急宇和海18号は松山駅へ向かいます。
松山駅手前の第一閉そく信号機です。この信号機には進路予告機が従属しています。
現示は注意信号現示です。
高架化工事は着々と進んでいることが見て取れます。高架橋を左手に見ながら宇和海号は築堤を下ります。
行く先には場内信号機の信号を中継する中継信号機が中継停止信号を示しています。
場内信号機へ接近します。信号機は停止信号を現示しています。
宇和海号は非常に低速度で接近し、信号機手前で停止しました。
撮影した時はしおかぜ号が2分ほど遅れていたため、この場内信号機手前でしおかぜ号の入線を待つためにしばらく停車しました。
しばらく停車していると、松山駅1番線へ遅れていたしおかぜ11号が入線してきました。
しおかぜ号が1番線に完全に停車したタイミングで、誘導信号機が誘導信号を現示しました。
宇和海号はゆっくりと加速をはじめ、低速度で進入を開始しました。
場内信号機手前で停止から誘導信号の現示、停止位置までの動きは動画で撮影しました。以下からどうぞ。
1番線の縦列停車位置付近
宇和海号およびいしづち・しおかぜ号は1番線で停止する位置が決められており、
線路上とホーム上に停止位置を示す標があります。
ホーム上には宇和海号用の停止位置目標、移動禁止表示器もあります。
移動禁止表示器は常時滅灯しており、宇和海号が停車する時は移動の禁止を示す赤色灯が点灯します。
宇和海号が1番線に進入する際は、「停止手信号」を係員が現示して列車を停止させます。
宇和海号は連結することなく、この停止位置で停車し、折り返して宇和島行の特急宇和海号になります。
おわりに
松山駅の特急縦列停車を見てきました。高架化後は無くなるかもしれない様子を記録に残せて達成感があります。
無くなる前に記録に残す。大事ですね。
それでは。