Interlocking’s blog

鉄道信号・模型などなど趣味活録

鉄道模型の進路制御システム ~概要編③~ 進路開通操作

概要編第三弾としまして、

今回はアプリ上に作成した配線略図の進路開通操作についてご紹介します。

 

概要

進路の開通操作とは、信号扱者が信号扱所に設けられた制御盤のスイッチ(てこ・着点ボタンという)を操作し、列車が進入したい方向へ進入できるよう、各転てつ器をまとめて転換、信号機の制御を行うものです。

 

アプリ上での開通操作は実物の連動装置の進路選別式と同様にしています。

進路選別式では、進路の発点となるてこを右方向又は左方向へ倒し、進路の終点となる着点ボタンを押下する取り扱いを行い、進路を開通させます。

 

進路制御を行うために、アプリ上に作成した配線略図から発着点の定義と進路情報の作成をします。

配線略図上にてこ・着点ボタンを配置し、制御盤を作ります。

作成した制御盤から進路情報を作成し、各転てつ器の制御、信号機の制御情報とします。

以降でアプリ上での実際の進路制御・開通操作について述べてゆきます。

 

進路制御の下準備

以下の配線略図を例にご説明します(図1)。

仕分線XTからA1番線~A5番線までの5線に仕分けする構内を想定しています。

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図1:作成した配線略図

 

発着点は仕分線XT、各留置線A1~A5となります。

進路選別式においてはてこ及び着点ボタンを線路上に配置しますから、

進路の発点となるてこ(緑色)、進路の終点となる着点ボタンを各線に配置します(図2)。

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図2:てこ・着点ボタンの配置

 

次に配置したてこ、着点ボタンから進路情報の作成を行います。

進路情報の作成は線路の結線状態から自動で判断し、転換対象となる転てつ器の抽出、転てつ器の転換方向を算出します。作成された進路情報はデータベースに登録され、進路制御の基本情報となります。

 

操作手順

アプリ上での実際の取り扱いは以下のように行います。

仕分線XTからA2番線までの進路を開通させたいとします。

 

操作①:てこ1をクリック(図3)

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図3:てこ1を選択した状態

てこをクリックすると、選択中の水色に変化し、てこから開通できる進路の着点ボタンが水色に変化します。

 

 

操作②:着点ボタンA2をクリック(図4)

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図4:着点ボタンA2を押下後

着点ボタンA2を押下すると、メッセージウィンドウが操作の確認を要求してきます。

ここで「はい」を選択すると、進路の開通操作が実行されます。

「いいえ」を選択すると、着点ボタンの選択状態へ戻ります。

 

 

操作③:確認要求「はい」を実行(図5)

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図5:進路の開通

確認要求「はい」をクリックすると、進路の開通動作をシステムが行います。

進路情報を呼び出し、転てつ器を所定の方向へ転換します。

正常に動作確認ができるとシステムは各転てつ器を鎖錠します。

 

進路内のすべての転てつ器が鎖錠されたことを照査し、問題ないことを確認できると

システムは「進路が開通した」と判断し、対象の線路を黄色に着色します。

信号機を設けている場合は進路の開通と同時に反位に制御(進行を指示する信号へ制御)します。

 

以上の3手順を経て進路の開通となります。

 

進路の干渉

進路同士が干渉する場合、進路開通できないようになっています。

仕分線XTからA2番線へ進路が開通している状態で、A4番線から仕分線XTへ進路開通操作を試みようとすると、以下の通り警告が出ます(図6)

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図6:進路の干渉による警告

 

まとめ

今回は進路制御の方法について記事してみました。

この機能の実現によって、レイアウト上の各転てつ器をパソコン上で集中制御できるようになりました。

集中化によって転てつ器の誤った方向への転換はなくなり、当鉄道の安全性向上に役立っています。

従来は電動ポイント化しているにもかかわらず、個別にスイッチで転換していたため、開通確認を都度行う必要があり、制御する数は増えると手間になっていました。

(それもそれで良しとする見方もあるが)

 

 進路制御機能はNシステムの基本機能の一つですが、

他にもあるので後々記事にできればなと。

 

気になる点はコメントからどうぞ。

それでは。