先日、九州南部に位置する山野線・宮之城線の薩摩大口駅跡を訪問してきました。
その一部をご紹介します。
薩摩大口駅は旧国鉄山野線、宮之城線が乗り入れていた駅で、1988年に廃止となりました。
薩摩大口駅は九州南部の山間部に位置しています(図1)。
車で九州道人吉ICから国道267号を走り、およそ40分程で到着できます。
薩摩大口駅跡は鉄道公園として整備されており、近くに無料駐車場もあります。
鉄道公園には車掌車ヨ8952が展示されいるほか、薩摩大口駅で使用されていたと思わしき腕木式信号機が残っています(写真2~3)。
腕木の長さからして、出発用ですかね。宮之城線と山野線用でしょうか。
公園内には錘付転換機(通称ダルマ)と分岐器がありました。
ダルマは転換可能な状態で自由に動かせる状態になっていました。
転換させてみましたが中々重いです。
近くの「大口ふれあいセンター」には4階に鉄道資料館があります。
入館料は無料でした。資料館に関する情報は下記リンクから。
宮之城線廃止当時の写真や当時使用していた品々が展示されています。
数ある展示品の中でも、ここには大変珍しいものが残っておりました(写真6)。
薩摩大口駅で使われていた第1種機械連動装置の連動機です。
てこ番号は51~74まで、計24本を使用する連動機です。
連動機には電気鎖錠器が4台取り付けられています。
てこ同士の鎖錠を行うロックバーは20本で、てこの本数より少ない構成でした(写真7)。
連動機のほか、信号扱所建屋内に設けられていたバーチカルクランクもありました(写真8)。
バーチカルクランクは信号扱所建屋2階以上に設けられた連動機にててこを扱い、動作するワイヤー・鉄管がこのクランクを通して地面鉛直方向動作から水平方向動作へ変換されるものです。
てこが24本であるのに対して、こちらは12本分しかありませんでした。他は信号ワイヤーで接続されるようで、連動機下部に滑車が付いていました。
実際のところ、何台の信号機・転てつ器が稼働していたのでしょうか。連動図表で確認してみたいところです。
間近に見ることができ、時間を忘れてじっくりと眺めてしまいました...
日本国内で第1種機械連動装置が残されているのは非常に少ないのではないでしょうか。
現代において、当時の連動装置を目の当たりにできる伊佐市には感謝感謝です。
他にも第1種機械連動装置が残っている場所があれば見に行きたいところですね。
それでは。