概要編第四弾は信号制御機能についてまとめてみました。
信号制御機能は鉄道模型で信号システムを実現するために必須の機能です(写真1)。
概要
信号制御機能は安全に目的の線路まで進入できることを信号機を使用して運転士へ示すための機能です。
Nシステムにおける信号制御は進路の開通状態、軌道回路の在線状態、隣接信号機の現示情報の3要素で構成されます。
前回の記事で進路の開通について述べました。記事はコチラ↓から。
鉄道模型の進路制御システム ~概要編③~ 進路開通操作 - Interlocking’s blog
信号機の現示は進路の開通情報を取得、軌道回路から車両の位置情報を取得、内方信号機の現示情報から、制御対象とする信号機の現示を決定します。
信号現示の表示
信号機の現示状態はアプリ上の画面に表示され、信号機の現示状態をリアルタイムで表示します(図2)。画像は右方向へ向かって列車が走行中の状態です。
現示状態に応じて、停止信号は赤色、注意信号は黄色、進行信号は青色という具合に表示します。
信号機の制御区分
鉄道信号機には操作上の分類として、自動の信号機、半自動の信号機、手動の信号機という言葉があります。区分方法は軌道回路によって信号機が制御されるか否か、人による信号機操作があるか否かで分類されます。
Nシステムにおいては
として定義し、運用します。
従って各信号機は上記区分により、以下のように制御します。
- 自動の信号機:軌道回路の在線状態、内方の信号現示状態によって現示を決定
- 半自動の信号機:進路の開通状態、軌道回路の在線状態、内方の信号現示状態によって現示を決定
- 手動の信号機:進路の開通状態と内方の信号現示状態によって現示を決定
以降で実際に例を挙げて説明します。
自動の信号機
自動の信号機、すなわち閉そく信号機は軌道回路の状態と内方信号機の現示で決定します(図3、写真4)。画像内の信号機は全て閉そく信号機です。
軌道回路12Tに列車が在線している時、その区間へ進入するための信号機は停止信号を現示します。
そして、その外方の閉そく信号機は注意信号を現示し、さらに外方の信号機は減速信号を現示しています。信号機の灯器種別により現示できる種類は異なりますが、外方の信号機は内方の信号機より上位の現示となるよう制御します。
軌道回路12Tから列車が抜けると、各閉そく信号機は自動的に上位の現示へ変化します。
半自動の信号機
半自動の信号機は自動の信号機で持つ照査条件に進路の開通状態を追加し、制御します。
画像の信号機6Rは駅構内へ進入する場内信号機です(図5)。
信号てこ6が反位に制御されていない状態、すなわち進路が開通をしていない状態においては場内信号機6Rは停止信号を現示します。
手動の信号機
手動の信号機は軌道回路による現示制御をせず、信号扱者による操作で信号機の現示が決定されます。
Nシステムにおいては腕木式信号機を軌道回路によって制御されない、手動の信号機としています。
信号てこを反位に扱い、進路が開通すると、腕木式信号機を反位に制御します。
進路が開通していない状態においては、半自動の信号機と同様に場内信号機は停止信号を維持します(図6、写真7)。
通過信号機が設けられている場内信号機においては、出発信号機が進行信号を現示しているとき、進行信号を現示します(図8、写真9)。
開通てこと警戒信号現示
信号機の現示制御には扱い上の区別のほか、前方進路の開通状態によっても変化します。
この例が開通てこを設けた場合で、図10に示します。
開通てこは黄色のてこで示します。
開通てこは列車が本来止まるべき位置を超えて過走しても衝突しない方向へ前方進路を開通させるてこです。
開通てこを扱わずに場内信号機を制御した場合(信号てこ3を扱った場合)は前方進路が開通していないため、信号機を警戒信号現示とし、低速度で進入するよう指示します(図11、写真12)。
続いて、開通てこ(てこ4)を扱うと、場内信号機は警戒信号現示から注意信号現示へ変化し、高速度で進入して良いことを示します(図13、写真14)。
まとめ
今回はNシステムの信号制御機能について記事にしてみました。
この機能により、信号機が建植できましたので、より信号システムらしくなったように思います。信号扱いで転てつ器の転換をするだけでなく、信号現示も変化するようになったのでより実感的になりました。
気になる点がありましたら、コメントからどうぞ。
それでは。