以前にご紹介した自動復位機能の機能追加をしてみました。その機能のご紹介です。
【目 次】
自動復位機能について
自宅の連動装置では、信号てこにより反位へ取り扱った後、列車が信号機を通過後に自動でてこを復位(進路設定前に戻す)する機能を付加機能として実装しています。
今回はその自動復位機能に対し、機能の追加を施したのでご紹介します。
自動復位機能については過去の記事(下記リンク)をご覧ください。
進行定位と停止定位
信号機の制御方式には停止定位と進行定位という言葉があります。
日本鉄道電気技術協会発行の「鉄道信号技術」によると、停止定位の信号機は、
停止定位の信号現示の方式は、常時、停止信号を現示(定位)しておき、列車の運転を行うときのみ、信号てこを反位に制御して進行を指示する信号を現示する方式である。(p.48-49)
とあります。他方、進行定位の信号機は、
進行定位の信号現示の方式は、通常時は進行を指示する信号を現示しておき、その防護する区間内に支障がある場合にのみ停止信号を現示する方式である。(p.48)
と記されています。
この定義よると、私の連動装置は自動制御の信号機を除いて停止定位の信号機となります。進路設定をしていない時は常時停止信号を現示しています。
停止定位の信号機において、自動復位機能を使用すると、以前までは信号機を列車が通過した後に信号てこを復位する動作となっていました。
頻繁にてこを取扱う場合には有効でありますが、本線と待避線を持つのみで通過待ち運転を行うような小駅においては、本線の進路に対して常に自動復位してしまうと再度進路設定し直す手間がありました。周回運転する鉄道模型レイアウトにおいて、これはとても操作回数が増えてしまい、便利な機能として実装した自動復位機能が逆効果となってしまいます。
そこで、停止定位と進行定位の概念を自動復位機能に導入することとし、進行定位の信号機と定めた信号機については、自動復位を無効にするようプログラムの改良を実施しました。
進行定位による自動復位無効化
進行定位の信号機における自動復位の無効化について、具体的には下記の動作になります。
停止定位の信号機においては、列車が信号機を通過後、信号てこを定位に戻します。
下図は停止定位の信号機1Rを列車が通過するようすです。これは自動復位機能によって動作する、従来から実装済みの機能です。
停止定位の信号機では、信号機1Rに進行信号を現示したい時、1Rの信号てこを再び倒す(反位にする)必要があります。
進行定位の信号機では、上記動作を無効とし、一度進路設定したならば、信号機を列車が通過後も復位しないようにします。動作としては下図になります。
進行定位の信号機では、信号機1Rを通過中の列車により、信号てこ1Rを復位しません。
さらに列車が走行し、信号機2Rの区間へ入りきると、
信号機1Rを注意信号を現示し、進行を指示する信号を現示することになります。
画面上の信号機シンボルの変更
進行定位に設定した信号機は画面上で停止定位の信号機と区別できるようにしました。シンボルの表記は鉄道信号用図記号(JIS E 3012)に記載される表現を踏襲し、進行定位の信号機では信号機のシンボルを太線としています。

実際の画面上での差異を示します。場内信号機が3つの進路を持ち、本線は信号機1RBです。停止定位においては、

全ての信号機シンボルが細線です。信号機1RBを進行定位に設定した場合、シンボルの表現は

となります。僅かな差異ですが、隣接すると停止定位と進行定位の差が一目瞭然です。
実際の運転例
実際に鉄道模型を配置し、運転中のようすを動画にまとめました。ブログ記事内では画面が小さいので拡大してご覧ください。
場内信号機1RA、1RB、1RCと出発信号機2R、3R、4Rが画面上にあります。
うち、場内信号機1RBおよび出発信号機3Rが本線となる信号機で進行定位に設定しています。
動画より、本線走行中の列車はてこが復位されることなく、進路が開通を続けていることが分かると思います。
場内信号機1RAで副本線へ列車が進入した場合はが停止定位の信号機であるため、
てこが自動で復位されます。
おわりに
久しぶりに連動装置開発に関する記事を書きました。
まだまだ実装したい機能があるのですが、時間がなく...
一先ず、進行定位機能を実装できたので、本線を周回走行する際はてこを都度引き直す必要がなくなり、手間が無くなりました。
また進捗があればここで報告したいと思います。
それでは。
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